前の記事で”田舎で仕事をどのように探すか”という点を考えましたが、人によっては自営で生計を立てることを希望する方もいるでしょう。今回はその点について考察します。
ベストなのは今の仕事を田舎に持ってゆく
一番有利なのは現在の仕事のSOHO化です。パソコンを使ってお仕事をされている方に多いと思います。人によっては今までは一社員として勤めていたものの、独立を機に田舎への移住も考慮されるかもしれません。
現在はネット回線だけあれば会社や取引先とのやり取りができるようになっているので現実的な選択肢です。
しかし、フリーランスとしてやってゆくのはそれ程簡単ではないでしょう。「自分の腕一本で食べていける」だけのスキルが必要です。
それで独立後1~2年は現在の所で仕事を立ち上げて、事業が順調になってから田舎への移住でも遅くありません。(自分が望んでいた環境だったとしても移住自体がストレスになりかねません)
物作りはどうか?
他には何かの物を作って売ることもできるでしょう。例えば自作で革細工や布製品などを作る工房を立ち上げることもできるかもしれません。
この手の仕事は都市部よりも田舎の何もないところの方が作業に没頭することができるので創作意欲が湧いてくるでしょう。しかし趣味と自営業は別次元の話なので、今の時点でどれだけ成功しているかにもよります。
今後本当に規模を拡大してゆきたいのであれば、田舎ではアルバイトをして生計を立てながら自分の技術を磨くのに専念することもできるでしょう。
商品の販売 ということだけであれば、物流が確保さえできれば販売も可能なのでハードルは下がります。
ただし通販は物を送らなくてはならないので、その土地の特別な商品を売るのでない限り、離島などの送料がかさむ地域は余分のランニングコストが掛かるのでおすすめはできません。
成功例としては、私の知人で別荘地域にコーヒーショップを開き繁盛されている方がおられます。(通販と現地の販売と飲食)
地元の産業は本当に潤っているのか?
一つ注意したいのは「田舎の人がしている自営業をまねる」ことです。
私が住んでいた地域では都会から引っ越してきてペンションを始める方が多かったのですが、現在のペンションは斜陽産業とまでは言えないかもしれませんが下火になっています。
それで現地の自営業を「右にならえ」する前に、実際に繁盛しているのかどんな苦労があるのか、かなりの下調べは必要になってきます。その事業に携わっている方が本当の事を言ってくれるかは別の話ですが・・
他には一大決心して農家や酪農家になることが挙げられます。これは生計を立てることそのものとは別に、本人の強い意志によって決めることが多いものなので、このページでは敢えて何も言う必要がないと思います。
自治体によっては農業支援やセミナーなどを開いていたり、農業の分野で手とり足取り教えてくれるかも知れませんので、チャレンジも可能です。いずれにしてもかなりの軍資金が必要になるのは言うまでもありません。
万が一の際は都市部に戻る勇気も必要
これは事業を始める前に必ず考えておかなければならないことです。事業がうまく行かなかったら元住んでいた都市部に帰ってやり直しする勇気も必要なのです。
一度始めてから上手く行かなくなってからでは中々考えられないことなので、あらかじめ家族とよく相談して「見切り時」つまり撤退の基準をある程度決めておけば、本人も家族のそこまでは追い詰められなくて済みます。
あくまでもハッピーになるための田舎暮らしなので、家族はいつも幸せでいたいですよね。