瀬戸内の島々

田舎暮らしで気になるのが健康面での問題です。自然環境そのものは理想的なので健康も増進する(はず)ですが、万が一の病気の際にどの程度対応できるかも前もって考えておく必要があります。

医療レベルは基本的に「都心部-県の主だった地域-市-村」に分けることができます。村は都心部からかなりの距離離れているので一般的に言って十分な医療体制は整っていないと言えます。

以下は私が住んでいた地域の様子です。

村の病院は風邪薬をもらう程度だった

私が住んでいた地域には二つほど医院レベルの施設があり、一つは都市部から来た医師が開業したものでもう一つは市内の病院の診療所でした。

開業医の方は評判がとても悪く、私も行ったことがありますが拝金主義がモロに見えたのでそれ以来はお世話になっていません。

地域の方の証言によると見立てが悪く障害が残ってしまったが泣き寝入りのようでした。年配の方たちはどのように事を進めれば良いのか分かりませんし、そもそも事を荒立てたくないようですね。

もう一つの診療所はあくまでも規模が小さかったので、風邪を引いたりした時に薬を出してもらう程度でした。内科の診療日に他科の薬を出してくれたのは便利でしたが・・

それでレントゲンやMRIといった精密検査は市内まで出かけて行かなくてはなりませんでした。車でも40~50分かかる地域です。

隣接する市内の病院もレベルは低い

市内の病院も残念ながらレベルは低かったです。一応県の中心部にある大学病院から派遣されていましたが、何というか・・特定の分野における専門医が少ないんですよね。

これは東京などの大都市部にある病院と比べると差は歴然です。つまり一つの科であっても疾患の部位による適応は広いわけです。やはり広く浅くだと知識や手技のレベルはさほど高くありません。

私も入院して市内の病院にお世話になりましたが、やり取りを通じて医師や看護師の仕事に対する意識の低さを感じずにはいられませんでした。

そこの病院は市内で一番規模が大きかったので、何も努力しなくても自動的にお客(患者)さんが来る状況だったので慢心していたのでしょう。

評判自体は悪かったですが地元の人たちからすると「他に選択肢がない」というのが正直なところだったようです。

例えば年配の方たちが入院・手術するとなると家族の方たちの援助も必要ですし、その後の通院などを考えると車で片道2~3時間かけて県中心部まで行くのは現実的ではないのでしょう。

そう言った理由で「比較的近場のそこそこの病院」として選ばれていました。しかし私は「東京に帰って医療を受ければ良かった・・」と大いに後悔しました。

もし手術をするなら都市部に戻るのが無難

私の経験則からすると田舎に住むのは構いませんが、もし大きな治療や手術を必要とするのであれば、元々住んでいた都市部や東京などの大都市圏に行ってされることを強くおすすめします。

日本に住んでいて本当に恵まれていると感じるのは保険制度です。田舎の3流の病院でも都会の1流の病院でも同様に保険点数に応じて医療費が決まります。

田舎の人たちは他に選択肢があることを知らないか、そうせざるを得ない状況で地元の病院で手術などの治療を受けます。しかし、いわゆる「外者」はそれらの慣例に倣う必要はありません。

幅広い選択肢からより良い治療を選ぶとなるとやはり田舎ではなく都市部なんだと痛感した次第です・・