温泉まんじゅう

私が田舎生活を送ってきた率直な印象として、田舎における観光産業は年々難しくなっている感じがしました。いくつか例を上げてみたいと思います。

スキー場の客足の低下

私の住んでいた地域でもスキー場がいくつかありましたが、年々客足が遠のいているようでした。大きな原因の一つとして「地球の温暖化」を挙げることができます。

年々日本も平均気温が上がってきているようですが田舎も例外ではありません。例えばスキー場は12月~3月頃までオープンするところが多いです。

今までは12月の半ばになると既に雪が多く降っていたのが暖冬の影響で12月の年末にやっと雪が降るというとしも少なくありません。

そうなるとスキー場がオープンできないだけでなく、周辺にあるホテルやペンションなどの宿泊施設もお客さんが来ないので大きな打撃になります。

地元の人に言わせると冬のかき入れ時に半月何もできないというのは本当にもどかしい経験です。標高が高かったり規模の大きいスキー場だと降雪機で降らせることができますが、実際の降雪ではないので客足は鈍ります。

3月の時期も春が早まったせいでスキー場のオープン期間が短くなったもの客足減少の大きな理由です。一昔前とは違って今はネットでスキー場の様子も詳しく分かるので、雪質が悪ければわざわざ行くとことはしないのでしょう。

かの昔 にスキーが一世を風靡した時期がありました。その後スノーボードも流行りましたが、今は娯楽が多様化しているので往時と比べるとスキー人口自体が減少しているのも理由の一つです。

旅館などの宿泊自体が減っている

私の住んでいる地域は有名な観光地が複数あるところでした。観光地の周辺にはホテルや旅館が立ち並んでいます。

しかし、お客さんはほとんど来ている様子もなく中には閉館してしまったホテルもあります。理由を私なりに考えてみました。

その一つは昔よりも車の性能が向上したことにあります。以前であれば泊まりで来ていた場所も日帰りで行けるほど車の長距離ドライブも快適になりました。

人によっては今まで1泊していたものを車中泊で済ませるという方もおられるでしょう。どうしてもその観光地で宿泊をしなければならない大きな理由がない限り、お客さんはその日のうちに帰ってしまうのだと思います。

温泉に入るサルの親子

その理由として、地域内にある日帰り温泉施設はシーズンになるといつも賑わっていたからです。「温泉には入りたいが、泊まると高いのでそのまま帰る」というのが旅行者の本音なのでしょう。

田舎のホテルって設備や料理の割に値段が結構高いんですよね・・

主な原因は変化に付いて行けないことにある

色々と書き連ねましたが、田舎をじかに見てきた私にとって地元の観光産業は「時代の変化に付いて行けてないことにある」と言わざるを得ないでしょう。

スキー場にしてもホテルや旅館、ペンションにしてもバブル期に建てられた物を多く見受けられます。昔だと何もしなくても「そこに存在しているだけで」お客さんが来たものですが今は違います。

中には地方自治体が出資して運営しているものもあるのですが、「本当に採算がとれているのかなぁ」と思わせる物も確かにあります。

あれこれ模索してオリジナルの良い物を創り出し、時代に合わせて大きな変化を遂げることができないと斜陽産業の未来はないのかなぁと思います。